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但馬弁 日但辞書

多くの方から情報提供をしていただきました。
ありがとうございました。

その他

【あ】
標準語但馬弁解説・用例
あのねえ あんねー
あんなー
「あのね、昨日ね」=
あんなー、きんのうなー」
あほ あはー
あはたれ
あほう→あはう→あはー
「あほだな、おまえは」=
あはーだなおみゃーは」
あらっぽい がさくたゃあ 「がさい」「がさつ」
「あいつのすることは、がさくたゃあ
(豊岡市在住の村田さんより)
ありがとう おーきに 関西弁でも用いる
あわてんぼう とっぱすけ 「あわてんぼうな子だからなぁ」=
とっぱすけな子だでなぁ」
(新温泉町在住の川元さんより)
いえ 「あなたの家は大きいですね」=
「あんたはできゃーなー」
(豊岡市在住の匿名希望さんより)
いきている いけっとる 「あのおじいさんまだ元気ね」=
「あのじいさんまんだいけっとる
いきなさい いきねえな
いけっちゃ
「早く行きなさい」=
「はよいきねえな
(朝来市山東町在住の匿名希望さんより)
いこう(勧誘) いかー 「祭りにでも行こうか」=
「祭りでもいかーかいや」
うまい うみゃー 「旨い」「上手い」ともこれを用いる
「あの店おいしいね」=
「あの店はうみゃーなー」
うらやましい いかめー
いかめしい
「宝くじが当たったなんてうらやましいな」=
「宝くじが当たったなんていかめーなー」
(豊岡市城崎町在住の鳥谷隆治郎さんより)
うん
めぐりあわせ
まん 「いい天気で良かったですね」=
ええまんになって良かったですなー」
(豊岡市城崎町在住の鳥谷隆治郎さんより)
運が悪いは「わるまん」、
まんが悪い」とも。
運、巡り合わせ、幸せを表す「間」(ま)が転じて「まん」。「まんが好ければ五両三両も」
(唯楽軒『立身大福帳』)
おきなさい(起) おきやー
おきよー
「早く起きなさいよー」=
「はよおきよー
(高槻市在住のαさんより)
おちる(落) あだける 「2階から落ちてしまった」=
「2きゃーからあだけちまった」
おととい おとちー 「おとといUSJに行ってきた」=
おとちーUSJに行って来た」
おどろいた
びっくりした
おーとろっしゃ
おーとろしゃ
「恐ろしや」か。
「びっくりしたなぁ、もう」=
おーとろっしゃ、まー」
(豊岡市在住の匿名希望さん、朝来市山東町在住の匿名希望さんより)
おられる おんなる 「○○さんおんなるか~」
「向こうの畑におんなったで。」
(丹波市在住の竹野町出身者さんより)
おわりにしてかえりましょう しまいんしゃー
おしまいんしゃー
しまわーで
「夕方だしもう終わりにしましょう」=
「夕方だでまーおしまいんしゃー
(豊岡市在住の菜穂子さんより)
【か】
標準語但馬弁解説・用例
かう(買) こう 「湯飲み買って来た」=
「湯飲みこうてきたわいや」
(朝来市山東町在住の888さんより)
かえる(帰) いぬ 「帰ってご飯食べるわ」=
いんでめしでも食うわ」
かきまぜる まぜかす 「なにか、かき混ぜるものない?」=
「なんか、まぜかすもんない?」(寝屋川市在住の北村さんより)
かたい しわい 「ひからびてかたくなった状態」
しわくて(しわーて)噛めない(噛めれへん)」(大阪市在住の渡辺さんより)
かたぐるま かたくま 「かたぐるましてあげようか」=
かたくましちゃらぁーか」(豊岡市城崎町在住の鳥谷隆治郎さんより)
かたづける まつべる
なつべる
「しまう」と「かたづける」は区別せず用いる。
「これ押し入れにしまっておいて」=
「これ押し入れになつべといて」(豊岡市元町在住の匿名希望さんより)
かちかち
がちがち
かんかちこ
がんがちこ
「急に走って脚がかちかちだよ」=
「急に走ったもんで脚がかんかちこだわいや」(豊岡市城崎町在住の鳥谷隆治郎さんより)
かみて(上手) わーて 「上手から流れてきたよ」=
わーてから流れてきたっちゃ」(新温泉町在住の川元さんより)
かゆい
ちくちくかゆい
かいー
はしかいー
「このセーター安物だからちくちくするよ」=
「このセーター安もんだでぇはしかいーわいや」
(西宮市在住の好漢(ハオカン)さんより)
きがわるい
うっとうしい
きゃーりぃ
きがわりぃ
きゃーわる
「あの家は文句が多くて鬱陶しいよ」=
「あんねげーは文句ばっかりいってきゃーりぃなー」(新温泉町在住の匿名希望さん、豊岡市城崎町在住の鳥谷隆治郎さんより)
きのう きんのう
きんにょう
「これ昨日もらった」=
「これきんにょうもらった」
きゅう(灸) やーと 灸は「やいと」とも読むが、現在は「おきゅう」が主。
「お灸すえるぞ!」=
やーとすえたらーか!」
くたびれる くたぶれる 「僕はもうくたびれたよ」=
「わしゃーまーくたぶれたわいや」
けいさん さんにょう もとは「算用」か。
「家で計算してくる」=
「家でさんにょうしてくるわ」
こすりつける ねしくる 「汚いものをこすりつける」=
「きたにゃあもんをねしくる
「鼻くそを服にねしくる」
「靴についた犬のフンを地面にねしくる」(豊岡市在住の匿名希望さんより)
ごちそう ごっつぉー 「今日はすごいごちそうだね」=
「今日はえりゃぁごっつぉーだなぁー」(豊岡市城崎町在住の鳥谷隆治郎さんより)
こわい こやー 「怖い怖い」=
こやーこやー
こわれる めげる 「ガラスが割れた」=
「ガラスがめげた
「割った」は「めいだ
こんな こげーな
こぎゃーな
「こんなことではダメだよ」=
こげーなことじゃーあっけーへんで」(豊岡市在住の匿名希望さんより)
こんなに(たくさん) じゃーに
こにゃーに
「おもちゃこんなに買ってきてどうするの!」=
「おもちゃじゃーに買っちまってどないするだいや」
(豊岡市日高町在住の小山良之さんより)
こんばんは ばんなりました
ばんげになりまして
「こんばんは、日が暮れましたね」=
ばんなりましたなー、あんたー」(豊岡市日高町在住のおかだ!凌~君です。さんより)
【さ】
標準語但馬弁解説・用例
さいさい しゃーしゃー 「再々呼んだのだけれども・・・」=
しゃーしゃー呼んだーけどな」(豊岡市日高町在住のS.Nさんより)
~される ~しなる
~しんさる
「よく仕事される人です」=
「よー仕事しなる人だわ」
さわぐ
たわむれる
ほたえる 「騒ぐんじゃない!」=「ほたえるな!」(豊岡市城崎町在住の鳥谷隆治郎さんより)
古語「ほたゆ」(ふざける・おどける)だと思われます。「ざれたはぶるる事を、東国にてほたえるといふ」(越谷吾山『物類称呼』)
しなさい
してみなさい
しねー、しんさい
しんせい、しにんせい
しんしゃー
してみんちゃー
しにんさい」は少し丁寧なニュアンス。
「~なさい」の項参照。
「早くしなさい」=
「はよしにんせい
(養父市関宮町在住の匿名希望さん、豊岡市出石町在住の俊明さんより)
「はよ!」(関西弁に同じ)を用いる地域も。
しみる
しみこむ
しょむ 「ヨーチンがしみこんで痛い痛い」=
「ヨーチンがしょんでいてゃーいてゃー」(温泉町在住の匿名希望さんより)
しもて(下手) したーら 「下手までゴミだらけだよ」=
したーらまでゴミだらけだがな」(新温泉町在住の川元さんより)
しゅうさい りこもん 「あの子は秀才なんですってね」=
「あの子はりこもんらしいでー」
じょうだん、こどもだまし
ばかばかしい、ばかげたこと
てんが
てんがー
「あれは馬鹿馬鹿しいドラマだった」=
「ありゃてんがなドラマだったで」(新温泉町在住の川元さんより)
ずるい すこい
すっこい
「割り込むなんてずるい」=
「割り込むなんてすこい
「ずるするな!」は「すこするな!」
そうなら そんなら 「それならそうしよう」=
そんならそうしよう」
そざつな
(あらっぽい)
がさいがしゃあがさくたゃあ 「あいつは粗雑な奴だな」=
「あいつはがさいがしゃあ奴だな」「がさくたゃあ奴だな」
そのまま そのもっき 「これはそのままにしておいてくれ」=
「これはそのもっきにしてーてくれ」
(養父市八鹿町在住の高木さんより)
そば ねき 「あの家のそばにある木」=
「あの家のねきにある木」
【た】
標準語但馬弁解説・用例
だいこん でゃぁーこん
でゃぁーこ
「夏の大根は辛いね」=
「夏でゃぁーこんはかりゃーで」(寝屋川市の北村さんより)
だいじ でゃぁーじ 「これは大事なことですよ」=
「こりゃーでゃぁーじなことだで」
だいたい でゃぁーてゃぁー 「だいたいこんなところですかね?」=
でゃぁーてゃぁーきゃぁーなもんかいや?」
だから だしけー
だでー
だしきゃー
「だから言ったじゃないか」=
だしけー言っただらー」
(豊岡市市内のおくさんより)
「だしけー」はあまり但東町では使わない。(豊岡市但東町のわらわさんより)
たくさん よーけ 「たくさん文句をいわれた」=
よーけ文句いわれたわいや」
たべさせる
そだてる
くわす ご飯をたべさせる。
「家族を食べさせるために働いている」=
「家のもんをくわすために働いとる」(豊岡市在住の匿名希望さんより)
だめ あっけーへん
あっきゃーへん
「もうだめだ」=
「まーあっけーへん
だらしない
じだらく
なめんだら
だらず
へだらく
「だらしない格好するな」=
なめんだらげな格好するないや」(神戸市在住のうえやまたつやさんより)「だらずげな格好するないや」(新温泉町在住の川元さんより)
だらしのないさまを表す古語「なめんだら」。「だらず」はその略ではないでしょうか。
へだらくげな格好するないや」(豊岡市在住のMARKさんより)
~だろう ~だらー だらう→だらぁう→だらー。
「これから図書館に行くだろう?」=
「これから図書館に行くだらー?」
「行くなと言っただろうが!」=
「行かんとけって言っただらーが!」(豊岡市市内在住のおくさんより)
ちょっと ちょびっと 「ちょっとだけだよ」=
ちょびっとだけだでー」
つまらない
ものたりない
へんがにゃー 「夕飯にしては物足りないね」=
「ばんげにしちゃーへんがにゃーなー」(豊岡市但東町在住の城崎っ娘さんより)
古語「へんない」(変無い)だと思われます。
つらい
つかれた(疲)
えらい
えりゃー
「疲れたしやめておくわ」=
えりゃーでーやめとくわ」(西宮市在住の匿名希望さんより)
でこぼこ だんごへんご 道路が「だんごへんご」している。(豊岡市在住のM・Mさんより)
てつだいのひと てご 「手伝いの人を頼んでください」=
てご頼んでくれ」(豊岡市城崎町在住の鳥谷隆治郎さんより)
てぬぐい てぬぎー 「手ぬぐいが無くなった」=
てぬぎーが無くなったわいや」
どうしても しゃっても 「どうしても行かなければ」=
しゃっても行かんなん」
(養父市八鹿町在住の高木さんより)
どちらにしても
どのみち
どっちみち
どっちゃせ 「どちらにしてもダメだったよ」=
どっちゃせあっきゃーへんかったわ」(新温泉町在住の川元さんより)
とんでもない よろつけん 「とんでもないことをしてくれた」=
よろつけんことをしてくれたわ」(神戸市在住のゆたかさんより)
【な】
標準語但馬弁解説・用例
なくなる
なくなられた
なーなる
のーなる
なーなんなった
のーなんなった
ものがなくなる「ものがなーなるのーなる
人が亡くなる「○○さんがなーなるのーなる」亡くなられた「○○さんがなーなんなったのーなんなった
(養父市八鹿町在住の高木さんより)
~なさい ~にゃー
~んさい~んしゃー
~んちぇー
「しっかりと聞きなさい」=
「ちゃんと聞きにゃー・聞きんしゃー
行きなさい→行きにゃー欲張りなさい→欲ばんにゃー止めなさい→やめにゃーのように用いる。(豊岡市市内在住のおくさんより)
なめる ねぶる さとうをねぶる
(丹波市在住の竹野町出身者さんより)
なまいき
かしこぶった
こうじゃげ 巧者げ?(歌舞伎などの)口上げ?講釈げ?
「何だ、生意気な奴だな」=
「なんだーこうじゃげなもんだなー」(豊岡市在住の匿名希望さん、西宮市在住の匿名希望さんより)
なるほど
さては
ほんとうに
いかさま 如何様。お年寄りの方で「なるほど、なるほど」という相槌を「いかさま、いかさま」と用いるのを聞くことがある。
「本当にダメな人だな」=
いかさまあかんやっちゃな」(豊岡市日高町在住のおかだ!凌~君です。さん、豊岡市日高町在住のS.Nさんより)
なんですか
なんということですか
なんだいや 「これはなんだいや
「さっきのはなんだいや
(養父市八鹿町在住の高木さんより)
なんということだ(驚嘆) なんとなー 「なんとすごい、合格したとは!」=
なんとなー合格したんかいや!」(豊岡市日高町在住のS.Nさんより)
なんということを・・・ なしたことを・・・ 「なんということをしてくれたんだ」=
なしたことをしてくれただいや」(養父市関宮町奈良尾在住の長村小夜子さんより)
にぎやか にがこい 「人がたくさんいて、にぎやかだなあ」=
「人がようけおって、にがこいなあ」(豊岡市但東町在住の城崎っ娘さん、明石市在住の匿名希望さんより)
ねえ なあなぁーあ 「同意を求める意味で語尾等につける」
「そうだね」「そうだなぁ-あ
「ねえねえ聞いてよ」「なあなあ聞いてえな」(大阪市在住の渡辺さんより)
ねこぜ ねこおう 「隣のおばあさんひどい猫背だね」=
「隣のおばあさんひどうねこおうとんなるなー」(豊岡市在住の匿名希望さんより)
ねむる ねぶる 「上で寝てくるよ」=
「上でねぶってくるわ」
【は】
標準語但馬弁解説・用例
はきもの はきもん 「ちゃんと履き物をそろえなさい」=
「ちゃんとはきもんそろえっちゃ」
はさまる はさかる 「歯にネギがはさまった」=
「歯にネギがはさかった」(養父市関宮町在住の匿名希望さん、豊岡市在住の柴田さんより)
はんぱでない
たいへんなこと
てゃぁーてじゃにゃーぁ 並大抵のことではない。
「金を稼ぐのは半端ではないよ」=
「金稼ぐっちゃーなこたぁてゃぁーてじゃにゃーぁで」(豊岡市在住の匿名希望さんより)
パラパラ(ポツポツ) ピリピリ 雨がパラパラ(ポツポツ)降りだした。
「雨がピリピリしてきたなあ。」
(丹波市在住の竹野町出身者さんより)
ふざける しゃーたれる 「こんなところでふざけてるんじゃない!」=
「こにゃーなとこでしゃーたれるな!」(豊岡市城崎町在住の鳥谷隆治郎さんより)
ふだん さーで 「普段着でいいんじゃない?」=
さーでの服でええがぁ」(養父市関宮町在住の匿名希望さん、豊岡市日高町のS.Nさんより)
べたべた
ねちゃねちゃ
にちゃくちゃ 「かき氷食べて手がべたべただよ。」=
「かき氷食って手がにちゃくちゃするわ。」(豊岡市市街在住の匿名希望さんより)
へる ちびる 「禿びる」。
「鉛筆がだいぶ減ってきた」=
「鉛筆がだいぶちびてきたわ」
ほうちょう ながたん 「そこの包丁取って」=
「そけーあるながたんくれ」(豊岡市在住の匿名希望さんより)
ほっとする
おちつく
ほっこり 「全部片付いてほっとした」=
「みんなきれーげぇーになってほっこりしたわ」(豊岡市但東町在住の城崎っ娘さんより)
【ま】
標準語但馬弁解説・用例
まだ
いまだ
まんだ 「ご飯まだ?」=
「ご飯まんだか?」
みぞ みぞこ 「溝に落ちてしまった」=「みぞこに落っちまったわいや」(神戸市東灘区在住の匿名希望さんより)
むちゃ わや 「むちゃくちゃ」は「わやくちゃ」。
「むちゃなことをする人だ」=
わやなことをするもんだ」
無法、無茶という意味の古語「わやく」の略。
もう まー 「もうお腹いっぱいだよ」=
まー腹パンパンだわいや」(西宮市在住のハオカンさんより)
もぎとる
つみとる
ぼる 「柿とっておいて」=「柿ぼっといて」(姫路市在住の匿名希望さんより)
もぎ取るという意味の古語「もる」(漢字は手へん+宛)の「も→ぼ」変化か?「もれる」の項も参照してください。
もれる ぼる 「あの家は雨漏りがしてかなわないよ」=「あんげーは雨がぼってしゃーあれへんわいや」
もれるという意味の古語「もる」(漏る・洩る)の「も→ぼ」変化か?「もぎとる」の項も参照してください。
もんだいない
だいじょうぶ
だんにゃー
だんねー
どうもない。2回繰り返すのが通常。
「賞味期限切れでも大丈夫だ」=
「期限切れとってもだんにゃーだんにゃー」(豊岡市在住の匿名希望さん、神戸市在住のゆたかさんより)
【や】
標準語但馬弁解説・用例
ゆうがた ばんげ 「日が暮れまして」(挨拶)=
ばんげになりまして」
ゆがむ
かたむく
いがむ 「家が歪んでいるみたい」=
「家がいがんどるらしいでー」
ゆるい ゆりー 「帯がまだ緩いよ」=
「帯がまんだゆりーっちゃ」
~よ(語尾) ちゃ 「~だよ」=「だっちゃ」「行こうよ」=「いかーっちゃ」「信じられないよ!」=「信じれーへんちゃ!」(豊岡市但東町のわらわさんより)
よこ こば 「お父さんの横に行ってなさい」=
「お父さんのこばにいっとけっちゃ」(匿名希望さんより)
よにん よったり 「こどもが4人もいたら大変なことだ」=
「こどもがよったりもおったらてゃぁーてじゃにゃー」(豊岡市在住の匿名希望さんより)
よほど よっぽど 「よほど辛かったのでしょうね」=
よっぽどえらかったんだらーで」
【ら】
標準語但馬弁解説・用例
【わ】
標準語但馬弁解説・用例
わたし
わたしたち
わい
わえ
うち
わいらー
「私は」の「わたしゃー」は主として女性が用いる。
「僕たちには関係ない」=
わいらーには関係あれへんちゃ」
わえ」は主に豊岡周辺で用いられる。(川崎市在住の匿名希望さんより)
【その他】
但馬弁・用例解説
おおがっそ・おおがっそう
「散髪いかんな、おおがっそだで」(豊岡の田舎の方在住の匿名希望さん、豊岡市城崎町在住の鳥谷隆治郎さん、西宮市在住の匿名希望さんより)
江戸時代、束ねるまでにはならないこどもの髪型のことを「兀僧頭(がっそうあたま)」と言ったそうです。とてもボサボサな様として「大」を付け「おおがっそ」、あるいは「おおがっそう」となり、現在に至っていると思われます。
南但では使用しないという情報もありましたが、使うそうです(明石市在住の朝来町出身Kさんより)。
さらえる
「ご飯残さんとさらえとけぇよ」(豊岡市日高町在住のまあさん、西宮市在住の匿名希望さんより)
標準語「浚(さら)える」と同義ですが、実際に標準語として使っている方は多くないのではないでしょうか。但馬弁オリジナルではありませんが、残っている言葉という意味では貴重です。
つりこす
「風呂の湯がつりこしとる」(但馬出身明石市在住の匿名希望Kさんより)
漢字は「釣り超す」が当てはまると思われます。オーバーした、余計な分のことを「お釣り」と使うことがありますが(汲み取り式の便所で「釣りが返ってきたわいや!」なんて・・・)、その流れではないでしょうか。Kさんは山東町だけかもしれない、と言われていますが、他に「つりこす」を使われる地域の方おられませんか?
もやこ・もやっこ
「お皿、もやこで使わぁか」(豊岡市城崎町在住の鳥谷隆治郎さんより)
「共同で」という意味の古語「催合ふ(もやう)」が転じたものだと思われます。美方郡地域では使用しないようです。
~なる・~さる
~なった・~さった

「~する」→「しなる」「しんさる」
「~来る」→「きなる」「きんさる」
「した」→「しなった」「しんさった」
「来た」→「きなった」「きんさった」
「~していた」→「~しとんなった」「~しとんさった」
(大阪在住の渡辺さんより)
但馬弁の語尾変化

「する」「来る」などの動詞が敬語表現の「される」「来られる」に変化するとき、但馬弁では「しなる」「来なる」に、「した」「来た」の変化である「された」「来られた」が「しなった」「来なった」に変化する。地域によって「なる」「なった」を「さる」「さった」と表現するようです。

「聞く」→「聞きなる・聞きんさる」→「聞きなった・聞きんさった」
「走る」→「走り(走ん)なる・走りんさる」→「走り(走ん)なった・走りんさった」
この但馬弁辞書は、皆さんからいただいた情報をもとに編集しています。
言語学的に正確かどうかにはこだわっていません。
情報・ご意見等を図書館「但馬弁係」にお寄せください。